純情Lullaby.

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遅い… いつもならこの時間帯に来る筈なのに今日は5分以上は遅れてる 別に俺はアイツを待ってる訳では無い、けど気になってしまう でも自分のプライドが邪魔をして素直にそう思おうとしなかった だが相当考えていたのか無意識に足が動き、気が付けば俺はアイツのクラスの教室前に居た 俺は何やってんだ… ここまで来て引き返すのもどうかと思いアイツを探す事にした アイツが居ないか教室を覗いてみると姿が見当たらない 机にも窓際にもドア付近にも居ない… 近くを通りかかった生徒にアイツの居場所を聞いてみると、女に呼び出されて出ていったと言った 「……っ」 俺は胸が締め付けられる様な気持ちになる 嫌な気持ちだ きっとアイツは俺のとこに来ないだろうと思い、その場から引き返そうと後ろを向く すると目の前には誰かの身体がアップに映る いきなりの事で驚いてしまうが落ち着き、目線を上のほうに上げると探していたアイツの姿があった 「先輩?」 「あ…っ」 今はコイツの顔を見たくない この場から逃げようと廊下を足を動かす だが腕を掴まれ、動きを拒まれる 「は…はな、せ」 「先輩…泣いてるの?」 「あ!?」 「…先輩?」 「なっないてねぇ」 何故お前のために泣かなきゃいけないんだ 勘違いをしてるアイツの掴む手を振り払い近くにあった階段を上っていく
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