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僕はジム・ブラッキン、20歳のヴァイオリニストだ。
人は僕を「悪魔のヴァイオリニスト」と呼ぶ。前にやったアメリカ横断コンサートツアーで、聴衆を嘔吐の渦に巻き込んだからだ。
でも僕は普段はハンバーガーが好きな、いたって普通の青年で、産婦人科医の母と、3歳の妹マリィと暮らしている。
そして同じアパートの上のフロアには、僕のマネージャー、ルードヴィッヒ・シュミットがひとりで住んでいる。
27歳のルドはゲルマン系の色男だが、僕の世話に明け暮れて彼女を作る暇もないらしい。
そんな彼は、世間からは「ブラッキンの背後霊」と呼ばれている。
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