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朝、起きた時、そこは祭りの後の廃墟のようだった。
そこら中に裸やら下着姿やらの女性達が寝転がっていて、テーブルや床には、食い散らかした皿やごみ、酒瓶にタバコの吸殻なども散乱していた。
僕はといえば、裸のままベッドに、これまた裸の女の子とシーツにくるまっている。
「…。」
昨夜、自分がやった行為をおぼろげながら思い出す。
そう、女・女・女・・・・だった。
注文通り、最終的には七人の女性が一堂に揃った。
けれど、当たり前だけど、女たちはこの状況がよく飲み込めてなくて、部屋で立ち尽くす者がいたり、説明を求めてくる者がいたり。
当然、僕もただ待ちきれないから店に電話をしまくっただけで、複数の女性とのセックスなんて願望すら持ったことがない。
どうして良いのかわからず、顔は笑いながらも心は窮す。
苦し紛れに僕は、以前、飛行機の中で読んだエロ小説の主人公の真似をしてみる事にした。
「帰ってくれてもいいし、それか僕を一番歓ばせてくれた人に3千ドルあげるよ。」と、3千ドルをテーブルの上に置いたのだ。
かくして裸の女性達が一斉に僕に群がってきた。
実はこういう事には女性たちの方が慣れていたのかもしれない。
僕はされるままに、ただその柔らかい曲線を、ただただ感嘆しつつ撫で続けた。
どの女体にもおっぱいがあって、お尻も丸くて柔らかくて、と当たり前に“女”なのだけど、肌の質感とか、ひとりひとりこうまでも違うのかとびっくりする。
そして、どれも美しい。
女って神の奇跡なんだな。
ごつごつした体の僕はそう思った。
「…。」
本当に過激な夜だった。
「…。」
やおらに頭の中にヴァイオリンの音がして、パガニーニの『無窮動』が聞えてきた。
僕はベッドを出て、そのへんに転がっていたバスタオルを腰に巻くと、部屋のクローゼットに入れてあったヴァイオリンを取り出す。
そして、寝ている女性たちの邪魔にならないように部屋の隅に行くと、 調弦をして『無窮動』をゆっくり奏しはじめた。
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