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「駄目よ、勝手に終らせては」
我が儘な子供を諭すように語りかけてくる、三年の望月久遠先輩。
「え~!?ど~して行かないんですか~!?」
俺が賛成しなかったことにだだをこねる、一年の遠藤悠。
「副部長は部長のお願いを聞き入れる義務があるんだよ!?」
無茶苦茶なことを言うプチ独裁者、二年の宮森こなた。
「楽しそうじゃねーか」
楽しければよし、三年になれなかった二年の風祭久さん。
どうやら、今日の風音高校新聞部は俺―如月彼方―が完全にアウェーのようだ。
「てか、なんで肝試し?」
テーブルに突っ伏しながら、伸びをする。
これは俺にとってリラックスするだけでなく、『真面目に話を聞く気はない』という自己表示でもある
しかし、これに気付いているのは望月先輩のみ。
つまり、現状においては意味をなさないものである。
「ほら、ミルクティーだ」
「感謝です」
すかさず先輩は俺に紅茶を差し出す。流石は以心伝心、素晴らしい。
「私達新聞部も最近マンネリ化してきているの。特に大きな話題がないから代わり映えしないようなものをせっせと作る。それだと良くないから、肝試しをしよう!と言う話だよ」
自信満々に言われても困る。
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