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曇ひとつない、星がいく千にも輝く静かな夜
村民全てで100人というとても小さな村で一番大きい協会
村民は皆そこに集まっていた
今夜は記念すべき日…いや…正確には今夜0時が記念すべき日なのだ
一人…また一人と村民は十字架を片手に協会へと足を運び祈りを捧げる
大人から子供、まだ生まれたばかりの赤ちゃんまでが、皆祭壇の前にひざまずき神にこのよき日を迎えられる喜びを…そしてなにより感謝を祈りにこめる
やがて村長が祭壇の前に現れ神に祈りを捧げ、十字をきる
それが終わるとパイプオルガンが鳴り響き讃美歌を歌う
静かな夜に美しき讃美歌とパイプオルの音だけが響き渡る
さぁ…新たな時代の幕開けだ
ゴーン…
ゴーン…
協会の鐘が鳴り響く…
皆の祈りをかき消すように…
鐘は鳴り響く…
血塗られた協会に…
全てが無にきすなか…
新たな時代を迎える鐘の音は鳴り響く…
赤き満月の夜…
世は19世紀となる…
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