第四章

2/6
6人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
そこは、 叔母さん.叔父さん.従兄弟にあたる男の子が二人.叔父さん側のお爺さん.お婆さんの六人家族だった。 この家族と一緒に暮らすようになってから、何日かもしないうちに、私は気付いたら 「犬」と呼ばれていた。 この家族は私を汚い物を見るような目でしか見てくれなかった。 そして当たり前のように、夜しか食べ物を与えてもらえなかった。 けれど唯一食べられる夜ご飯さえも、酷い物だった。 この家族の誰かの食べ残しがある時は、まだいい方だ。 残飯だとしても、普段食べ慣れている物だから、見た目こそ悪いが味は変わらない。 けれどここには、育ち盛りの男の子が二人もいる。 滅多に残飯にありつけなかった。 そんな時はあらかじめ叔母さんが料理をしている時に、私用にとっていた物を差し出される。 叔母さんは床に直接それらをおいて、 「犬、食べろ」 と言って足を組む。 この家族は怪訝な顔をして私の顔を見ていた。 昨日の夜ご飯と同じだ…けど食べるしかない…朝から何も食べてない… 私はおとなしく食べだした。 それと言うのは、本来ならゴミ箱行きの物だった。 大根やにんじんの皮、魚や肉の骨、卵の殻など…それらが私の食事とされていた。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!