第四章

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私の願いも虚しく、従兄弟達が私にしてきた事は、それだけでは終わらなかった。 私は、お風呂に入る事を叔母さんの気分次第で禁じられたりしていた。 入る事が許させる時は、必ず従兄弟達と一緒に、という事が条件だった。 その条件さえなければ苦しまないで済んだのに。 従兄弟達と入る時はきまって酷い仕打ちをうけていた。 従兄弟達と私しかいないお風呂場では、私は彼等のいい餌食だった。 湯船に何度も何度も頭から押さえつけられる。 涙はとめどなく流れるが、この頃の私は、決して叫んで助けを求めたりはしない。 求めたところで、誰も私なんかを、救ってはくれない事を身をもってわかっていた。 そんな中、従兄弟達の私に対しての行為が、日に日にエスカレートしていった。 私が湯船の中で苦しがる事ぐらいでは満足できなくなっていったのだろう。 彼等二人は、耳打ちをし、何を思ったのか、洗面器にオシッコをためだした。 そして私を見ながらニヤニヤと笑っている。 私はその二人の表情を見て、嫌な予感がした。 急いでお風呂場から出ようとしたが、、無理だった。 羽交い締めにされていた。 どちらともなく、 「飲め」と、ただそれだけ言われた。 私はそれだけは絶対に耐えられなかった。今までした事のないほど抵抗し暴れた。 そして暴れた私の膝が偶然にも、従兄弟の弟の方の顔面に当たった。 弟の方は私から手を離し、顔面を手で覆った。 びっくりした兄の方は弟の心配をしていた。 私はチャンスだと思った。 早くお風呂場からでなきゃ…早く早く… 飛び出そうとした瞬間、、、兄の方が私の手を強く掴んだ。 そして勢いよくお風呂場の小窓を開けた。 すると弟の方が私の両足を抱きつくようにしっかりと抱えた。 眉間にしわをよせ、歯をくいしばり、グッと私を睨みながら。 兄の方は私の上半身を強く抱えた。 私は二人によってゆっくりと持ち上げられ、小窓から外へと、放り投げられた。 従兄弟達は八歳ぐらいだったため、年相応の力しかなかったが、その頃の私はまともに食事をさせてもらえなかったので、本当にガリガリだった。 それに、その時私は自分がどうされてしまうのか想像さえできなかったので、頭はすごい早さで色んな事を思いながら回転していたが、それとは逆に、体は無抵抗だった。 放り投げられたのは、たった数秒の出来事だった。
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