第一章

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私は、父.母.兄.私の四人家族だった。 私が覚えている所から書くが、私達家族はマンション暮らしでその一階がマクドナルドだった。 私と兄はよくそのお店を利用していた。 といっても私はその頃四歳で兄は八歳だったのでお金なんて持ってないのだが。 父はその頃は会社員として、朝から夜遅くまで働いていたので、休みの日の父しか私は覚えていない。 母は専業主婦として、毎日家にいた。 けれど、父がいない間の母は、専業主婦なんてしていなかった。 食事を作るどころか、インスタントの物さえ与えてもらっていなかった。 朝から父が帰って来るまで。 兄はその頃小学生だったので給食があったが、幼稚園にも保育園にも行ってなかった私は母と二人の時間が多く、その時間が苦痛でしかなかった。 食事の事は先ほど書いたが、それはまだ我慢できた。 父が帰った後の母は、人が変わったように、いい母いい妻を演じ、家族皆で楽しく食卓を囲んでいたから。 辛かったのはトイレに行かせてもらえない事と気分次第で、殴られる事だった。 トイレが我慢できず、「お母さん漏れちゃうよ」と泣きながら訴えても、母はTVに夢中だ。 もう我慢できない… シャァーー その時、母はすかさず私を殴った。 「我慢しろって言っただろうがぁ」 そう言いながら、無理矢理私の服を脱がせ、ベランダに私を追い出し、鍵をかける。 私は涙が止まらない。何故トイレに行かせてもらえないのか、何故我慢できないものを我慢させられているのか、何もかもがわからなかった。 そんな毎日をすごしていたのを微かながらにも覚えている。
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