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気がつけば、あたしは一人でゲラゲラ笑っていた。
雑巾を床に叩き付けながら教室の真ん中で。
まるでそこに桑島美紀の顔があるかのように
あたしははっと正気に戻り、慌てて辺りを見回した。
もし見られてたら、と少し焦ったのよ。
けど、もう教室には誰もいなかった
見られてるなんて、んなわけ無いよね。
あたしは透明人間なんだから。
ただ、机は元の位置に並んでいなく、下げられたままだった。
大方教室掃除の机当番の奴があたしの存在に気付いたんだろう。
『そうだ、あいつにやらせよう』って
外はもう暗闇にどっぷり染まっているのにあたしは一人40人分の机をせっせと運んでいた。
夜の静寂の中にガラガラと机を動かす喧しい音が響く。
家では良い子を異常な程求められ。
学校では都合の良いパシリとして使われ。
ぐるぐる繰り返す変わりない毎日
こんなヒドい仕打ちを受けているのに、何であたしが精神崩壊とか鬱病にならないか不思議なくらいでしょ?
何でならないかって?
こんなあたしより弱いやつがいるからよ
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