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約束をしてから2週間後に、また雅文から電話。
『今俺、日雇いのアルバイトやねん。だから、保険はお前の方でやった方が得なんじゃないん?』
得とかじゃなくて、私の方で保険が作れないって言ったのに。
説明したやん…
日本語すら通じなくなったの?
疲れる。
「だから、この前説明したでしょ。」
『俺は今、日雇いのアルバイトやで?お前は正社員やん』
「だから何?!仕事を勝手に辞めたのは雅文でしょ?日雇いのアルバイトの道を選んだのも雅文でしょ?」
『だから、お前の方で…』
話は振り出しに戻る。
「離婚しないとは言ってないでしょ?
雅文は、今まで嘘ばっかりでしょ?養育費の取り決めも何もないまま離婚して逃げられても困る。」
『逃げへんよ!俺が何のために駆け落ちしたのに、わざわざ退職願い出しに、あんなクソ会社に戻ったと思ってるねん。』
「だいたい全て捨てる覚悟で出てったくせに、荷物取りに来るとか、女々しいねん!!」
『……女々しいなぁ。だけど、そんな所で男気もいらんやろ』
…呆れた。
「雅文の覚悟って何?
“いつかは、向こうと切れて明希のもとに必ず帰るから”それも嘘。
全部、嘘ばっかり!!」
『俺あの時、明希のことを“愛したい”とは言ったけど“愛す”とは言ってへんで。
子供も何でほしいと思ったか分からん。
もぉ、えぇやんけ。そんな話。』
すごく悔しい気持ちでいっぱいだった。
よく、事件のニュースとかで犯罪者に対してのコメントでやってるヤツ。
“仕事熱心でいい人だった”
“優しい人だった”
“あの人が、こんなことするなんて信じられない”
って、周りの人がインタビューされてるヤツ。
まさに、雅文だよね

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