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俺はバーのカウンターで、良い生地で仕立てられたスーツを着た男に声をかけられた。 50歳くらいだろうか。 深くなりかけた皺さえも、魅力に感じさせる整った顔立ちをしている。 「君は大学生かい?隣、いいかい?」 脇田と名乗る男は親しげに俺に話しかけた。 人をそらさないオーラのようなものが出ている。 人によってはフェロモンだというだろう。 脇田は俺の隣に座り、しばらく世間話をしたあと、俺にバイトの話を持ちかけた。 「実は、妻に浮気がばれてね。愛人を引越しさせなくてはならない。 ついでに愛人には男がいるからもう安心だ、という筋書きを作りたいんだ。 君ならモテそうな顔だし、妻も信じるだろう」 俺は酔っていたし、男が渡してきた封筒には帯がついたままの札束が3つ入っていたので、勢いで引き受けてしまった。 この美味しいバイトは、脇田の愛人と一緒に家を探し、一緒に住むこと。 期間は一ヶ月。 .
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