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しばらくの間ボーっとしていると、ガチャガチャと玄関の鍵が開いた。
かつては好きで好きで、愛していたのに、今は一緒にいるのが息苦しい……。
結婚した時、仕事は自分の為にも続けたほうがいい。と言われ、私も『外で仕事がしたい!』と考えていたので、喜んで仕事をした。
結婚と同時に引っ越したので仕事は変わったが、新しい仕事もやりがいがあり、とても楽しかった。
優駿も始めは家事を手伝ってくれていた……。
ただ、しばらくすると、『そんなに仕事楽しいの?いつも張り切って行ってるけど。』
皮肉とも嫌味ともとれる言い方をするようになった。
家事も精一杯やっていたし、二交代制の勤務をしていて、すれ違いがちな優駿と少しでも繋がっていられるように、夜寝る前に手紙を書いていた。
大切に思っていたし、愛していた…。
心から………
優駿は、段々と冷たくなっていった……。
きっと、こっちが素だったのだろう…。
4年が過ぎた頃、
『来月、転勤だから。』突然だった。
会社の指示だったから、しょうがないと思ったけれど、一言 『ついて来てくれる?』だけでも言ってほしかった…。
面倒くさい女だよね…
引っ越しの準備は忙しくて、仕事の休みを利用して一人で新居探しや、荷造りをした。
ささやかな抵抗として、ギリギリまで仕事を続けた…。
私の気持ちにも気付いてほしかった…。
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