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仕事が始まると、さすがだった。
やり手らしいという噂は聞いていたけれど、あっという間に仕事を片付ける姿は想像していたよりも格好よかった。
格好よかったといっても、仕事において尊敬できる。という気持ちだけ。
この時、特別な感情は無かった。
仕事も一段落した頃、休憩に入り一息ついていると、木幡さんが近づいて来た。
篤「お疲れさま。忙しかったね~。いつもこんな感じ?」
彩「今日はいつもよりも忙しかったですよ~。お疲れさまでした。
木幡さんは今日は何時までこっちに?」
篤「一応17時くらいまでの予定かな。その後はあっちに戻らなくちゃいけないんだよ。仕事が残ってて…。
彩夏さんはもうすぐ終わりだよね?」
彩「そうなんですよ~。久しぶりに早く帰れるから嬉しくて。たまには一人で映画にでも行こうかなぁ。って考えてたんですよ。」
篤「一人で?旦那さんは?」
彩「たまには一人で出かけて、ちょっとした気分転換ですよ。」
篤「じゃあ、俺とデートでもしない?」
えっ?!
彩「またぁ~そんな事言って。木幡さんには奥さんがいるじゃないですか。」
篤「奥さんは奥さん。彩夏さんとデートしたいんだけどなぁ。」
彩「デートかぁ。懐かしいですねぇ。むかぁ~しにしたような記憶が…。
まぁ、そのうち。
今日は木幡さん、戻って仕事ですしね。」
篤「そうだった。残念だなぁ。まぁ、また今度だね。次に会うのは…来週か。楽しみにしてるよ。」
彩「私も楽しみにしてますね。よろしくお願いします。」
なんて軽い感じでデートって言葉を使う人なんだろう。まぁ、冗談だろうし、私も軽~く冗談で返せばいいか。
仕事に対しては厳しい感じだけど話しやすいし、会うのが楽しみなのに変わりはないしね。
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