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「ただいま~。真夜(まや)~起きてるかー?」
しばらくすると、2階へと続く階段から面倒くさそうに降りてくる足音が聞こえてきた。
「なぁに~?土曜なのに随分帰ってくるの早いじゃん、兄貴。…って誰その子!?」
「ああ…実はさ…」
かくかくしかじかと仕事帰りから今までのいきさつを説明した。
「ふ~ん、なるほどね。でも、今時走り屋系の車に興味持ってる女の子って珍しいね。とにかく、急いで着替えさせなきゃ。」
「真夜、頼めるか?男の俺がやるわけにいかないしな。」
「はぁ、兄貴はホントめんどい事ばっか持ち込んでくるね~。とりあえず、あたしの部屋まで連れてきて。あと、その子携帯もってない?」
「いや、俺は見てないな。ポケット探せば出てくるかもな。って俺がやっちゃまずいような…」
「はいはい、それもあたしがやっておきます。ったく兄貴は走り屋のくせして女にはホント奥手なんだから!その子運んだら、おかゆでも作ってて!あと、冷たいタオルも持ってきてよ!」
「走り屋なのは関係…」
「言い訳はいいから、早くっ!」
「…はい。」
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