1.SIRENT Rain

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会計を済まし、出入り口の自動ドアが開くと、期待はしていなかったがやはり雨は降っていた。 静かに弱く、だが確実に触れる者を濡らすSIRENT Rainが… リョウは雨に濡れるのを嫌って足早に愛車のS13に乗り込み、何気にフロントガラスに降り注ぐ細かく小さな雨粒を見ていた。 (ふぅ…、もうちょうど1年近くにもなるのか…。お前はもうどこか遠い所で元気にやっているのか?それとも…) と、不意に運転席側のウィンドウをノックする音が聞こえた。 少しハッとして、音の方を振り向くと 「っ!?君は…」 なぜかコンビニ店内で雑誌『フルスロ』を譲ってくれと言ってきた中学生(?)と思われる女の子が立っていた。 そしてやはり傘はさしていなかった。 少し動揺しながらパワーウィンドウを操作し開けると、 「あー、やっぱりこのシルビアおじさんのだったんだね?コンビニ入る前に見かけて気にはなっていたんだけど、あたし急いでたからスルーしちゃってさぁ…」 そう声を掛けられたリョウだったが、最初の一言以降は耳に入っていなかった。 「ちょっと待て。俺はおじさんと呼ばれるほど老けちゃいないぞ。これでも21だ。」
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