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「あー、なんかアタマ痛いな」
突然、佐伯は眉間にシワを寄せてしきりに後頭部をさすっている。
「大丈夫か?」
「うん、眠れば大丈夫だと思うから」
「そうか? みんな心配してるから。明日、学校にこれそうか?」
「わかんない。だって、真っ暗で冷たいから」
「え?」
「あのね、椎名くんに会えてよかった。――君はいつも少し違う世界を見てたから」
「え……、」
それは……。
「じゃあね」
静止の声も聞かずに、駆け出した佐伯の姿はあっという間に小さくなってしまった。
――――翌日。
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