第二章

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~月影の民(ゲツエイのタミ)~ サンシアン王国から東の方角に、山を三つ越えた遥か向こう側の、更に背の高い草が一面に生えている草原を越えた先にある…人間の立ち入らない森の中。 その森は高い木々が隙間無く背丈を伸ばし、年中葉を揺らす木々は日差しを遮り、太陽の光が地面に届くことすら許さない… そんな、年中真っ暗な森に光を与える様に『蒼白く輝き咲き誇る薔薇の花』。 それこそが月影の民が造った唯一の『入り口』で、 その薔薇はまるで道を照らす光であり、その道を奥へ進んで行くと見えてくる森と湖に囲まれた村『影の都』。 この、旅人すら訪れる事の出来ない場所に暮らしている一族こそが『月影の民』である。
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