第四章

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サクラ「冷蔵庫に何も無かったから、晩御飯の食材でも買って帰りますか」 それからサクラが夕食についての話を始めると、今夜の献立はノアの意見からサラダ巻きに決まり、 メル「あの…私もご馳走になって良いですか?」 そこへもじもじしながらメルが訪ねる。 サクラ「是非来てください!」 ノア「遠慮はいらねぇ!」 そしてサクラとノアも言葉を待っていたように返事をし、更に三人は様々な店を巡って食材を集め、時折珍しい品物を見つけて立ち止まっては無駄話を交える。 そうこうしていると、何時の間にか太陽は傾き、空と町を朱(アカ)く染め。今日の綺麗な満月は金色に輝く。 「そろそろ帰ろう」 サクラは朱く染まる町と長くなる影を眺めて言った。 そして歩き出す三人の胸元では、赤と青を夕焼けが照らし、それから出来た影と光が揺れていた。
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