第二章

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王国に来る六日前… 『影の都』から西に三キロ程、森の中を進んだ先にある場所で、サクラとノアが何やら探し物をしていた。 それから更に歩き回って、サクラが目的の物を見つけたのか、 サクラ「有ったぞ~っ、こっちこっち」 数本の木を指差しながら遠くにいるノアを手招きする。 この場所に何度か来ているのか…サクラの手招きを見るなり、慣れた調子でノアが、 ノア「今年もちゃんと実ってるか?」 と大きな声を出しながら駆け寄ると、 サクラ「あぁっ!上出来だ!」 嬉しさの伝わる声で、サクラから返事が帰って来る。 此処は二人が三年くらい前に見つけた場所で、今では毎年訪れては赤く色付いたリンゴを味わっているのだ。 二人曰く「暗い森の中の木漏れ日が差し込む場所に『リンゴの木』が育ってたから 周りの木を数本『斬る・燃やす』などの手を加えてリンゴの木が育ち安い環境を創ったんです」 だからこの季節は、綺麗実を付けているらしい… もちろん今日、二人が来た理由はリンゴ収穫の他に枝の手入をするためである。
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