第五章

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時刻は早朝三時十五分。 ………。 「ふぁ~」 赤い髪が寝返りをうち、『くしゃり』と小さく潰れる。 その男の名前はサクラ・ローエンである。 十五歳になった容貌は、三年前の頃より引き締まり、なんとも凛々しさをましていた。 都から出て来て三年の月日が流れた今、相変わらず、同じ寮の一室を住まいとし、日々『虹色の翼(ギルド)』で仕事の依頼をこなしながら、鍛錬(タンレン)にも励んでいる。 しかし、この三年間で大きく様変わりした部分もあった。 それは今から二年前、サンシアン王国の(サクラとノアを含めた)調査隊による現地調査で、『月影の都を復旧させるのは難しい』と発表されると、 サンシアン王国が月影の民に同盟を持ち掛け、民を第一に考えた月影の長は、やむを得ずこれに同意し、サンシアン王国に月影の民が加わった事である。
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