第五章

10/36

762人が本棚に入れています
本棚に追加
/174ページ
他にも、サンシアンの国民から見て、当初誤解が生まれた。 それが何かというと、『思想の違い』…と軽く表現して良いものかは言い難いが、月影の民、もとい月影の人々は、 サンシアンの国民から見て、 『森に住んでいるから不潔』 『野蛮、気性が荒い』などの偏見に、 『魔力は一般の魔術師の“それ”を軽く凌駕(リョウガ)する』と思い込んでいた為か、 サンシアンの国民は「あいつらは野蛮で危険だ!」という、どこかで考えの捻(ネジ)れた意識を持っていたのだ。 しかし、どういうことか。 確かに月影の民の中には、魔術師が数人程いたが、それだけで… 月影の都で、サンシアンの国民が言う『強い魔術師』はサクラとノアの二人にとどまり、一般の魔術師すら十数人だけであった。 無理もない。月影の都にも、様々な決まりがあり、魔法を使用するにはそれなりの許可が必要で、許可を持たないで魔法を使用した者は、良くて一ヶ月間の牢獄行き。 そして最も悪いもの、人に害を及ぼすものになれば、裁判にかけられ死刑である。
/174ページ

最初のコメントを投稿しよう!

762人が本棚に入れています
本棚に追加