第五章

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現状況でも、サンシアン王国は国民の半数以上が魔法を使用している。 寧(ムシ)ろ月影の民の方が、『サンシアン王国』はおろか、その他の国々をも、魔法を乱用する愚か者と考えており、 そのために、今まで他国との交流を極力避けていた訳だ。 だが、月影の都を守るのは『最強の双剣』。今となっては、これも覆せない事実だ。 「ふぁ~」 二度目の欠伸(アクビ)に、何度目かの寝返りを重ね。 サクラは重々しく瞼を持ち上げる。その半開きの双眼で、カーテンの隙間から覗く月明かりに照らされた時計に目を凝らす。 「じゅうにじちょいか…」 実際の時間は、既に短針と長身が『三』を指しているのだが… もういっかい眠ろ。 そう思い、毛布を被ったが、 「寝れないなぁ」 どうやら寝付けなく、暇潰しに過去を振り返りながら、何を想ったのか…“日常”について考え始めた。
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