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現状況でも、サンシアン王国は国民の半数以上が魔法を使用している。
寧(ムシ)ろ月影の民の方が、『サンシアン王国』はおろか、その他の国々をも、魔法を乱用する愚か者と考えており、
そのために、今まで他国との交流を極力避けていた訳だ。
だが、月影の都を守るのは『最強の双剣』。今となっては、これも覆せない事実だ。
「ふぁ~」
二度目の欠伸(アクビ)に、何度目かの寝返りを重ね。
サクラは重々しく瞼を持ち上げる。その半開きの双眼で、カーテンの隙間から覗く月明かりに照らされた時計に目を凝らす。
「じゅうにじちょいか…」
実際の時間は、既に短針と長身が『三』を指しているのだが…
もういっかい眠ろ。
そう思い、毛布を被ったが、
「寝れないなぁ」
どうやら寝付けなく、暇潰しに過去を振り返りながら、何を想ったのか…“日常”について考え始めた。
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