第五章

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“日常” これを深く考えるようになったのは、月影の都で勉学に励む頃『個の力を統べる龍と全ての龍を統べる力』という作品に記載されている、『世界の創造』と呼ばれるものを閲覧したのがそもそもの切っ掛けである。 その作品には、こう記されていた。 紅蓮に揺らぐ『炎龍』 天空に漂う『風龍』 蒼海に踊る『海龍』 絶壁の如き『陸龍』 漆黒に轟く『雷龍』 常に寄り添う『光の龍』と『闇の龍』 これらの龍が世界を統べる。 全てを観照する『月の瞳を持つ者』 全てに干渉する『影の鎖を持つ者』 これらが世界を統べる龍を統べる。 これが今の世界の成り立ちであり、これが日常を築き上げた。 しかし、 その“瞳”を我らは得た。 その“鎖”を我らは得た。
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