第五章

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我等はその力を『月の瞳』『影の鎖』と例え『月影魔法』を創造した。そして世界に平和をもたらそうと考えた。 故に我等は謳(ウタ)った。 死者の魂がさ迷う『黄泉(ヨミ)の世界』 死者の魂が行き着く『冥府(メイフ)の世界』名は異なれど同じ世界の下にあり。 死者を監視するは、天上より我等を眺めし『月の瞳』 死者を束縛するは、天下より我等を留める『影の鎖』 ………。 しかし、我等が死者の世界から“瞳”と“鎖”を奪った為に行き場を失った死者の魂は、 行き場を求め、我等に詩を謳い返す。 瞳を開けよ天上の月。 我等の基に帰還願おう。 鎖を伸ばせ天下の影。 我等の下に帰還願おう。 そして一度(ヒトタビ)、我等、“死者の魂”が安らげる永久の世界を創りたもう…
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