第五章

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次第にサクラが放った雷槍も加速し、 『バヂンッ』 適格に腕を打つと、腕は扉の向こう側へと弾かれるように戻された。 「おらぁっ!閉まれ!」 そして雷槍が腕を弾いた直後、ノアが紙一重の差で追いつき、掌を突き出した状態から扉に衝突すると、『バタン』と勢い良く扉が閉まる。 良し!当たった! 次からはもう少し難易度の高い魔法に挑戦しますかね 閉まって良かった… サクラの事だから魔力が足りなくなるかと思ってたけど… すると、扉は徐々に薄れ、一分経つか経たないかの間に、松明と共に闇へ溶けた。 「面白かったですね」 「うむ、一犬落着じゃわい…」 「楽しくねぇっ!ってか何でジジイが話を纏めんだよ!?それに『犬』ってなんだよ!」 サクラと老人の会話に、ノアが反応し、突っ込みを試みたが、 「それより、気をつけるんじゃぞ?今の扉は『カヴィンの日』に現れると言い伝えがある筈じゃ…『カヴィンの日』は現れん時代には現れんのじゃが、現れる時代には、続いて現れるという」 老人はノアの突っ込みを軽く払い、真面目な話を言い出す。 「つまり、僕らの時代にだけ、もう一度現れるという意味ですか?」
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