第五章

21/36
前へ
/174ページ
次へ
「へっ?」 何ですか? 寝ぼけているサクラは、赤い髪を揺らし、毛布と一緒に体を起こすが、未だ瞼は重く閉じている。 「サクラ?今日に限って寝坊は無いよな?今日が何の日か、わかってるのか?」 そう問い掛けるノアの声で、サクラは寝ぼけている頭のまま考える。 何の…日?…の日、カヴィン…?いや、違う違う…えっと 「あっ!入学式の日!!」 そして、パッと瞼を開き、大声で叫んだサクラだが、急に息を吐き出したので『ケホッケホッ』と咽せ返った。 隣では、ノアがベッド脇に立ち、サクラを見下ろしながら、 「正解」 と一言呟き、 「まさか、サクラが寝坊するとは思わなかった!ほら、俺もメルも支度終わったから、三人で一緒に行こうぜ!」 支度を済ませているらしいノアは、上機嫌にサクラを急かす。
/174ページ

最初のコメントを投稿しよう!

762人が本棚に入れています
本棚に追加