第五章

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「いや、そういった“まじない”とは違います。僕達月影の民が家族の間で良くやっていたもので、自らの魔力を装飾品の宝石に注ぐんですよ」 「宝石に魔力を留めることが出来るんですか!?」 サクラが“まじない”について触れる程度に説明すると、メルは表情がやや強張る。 「ええ、月影ではそういった魔法しか許されませんでしたからね」 「ああ…だから無駄に発達したっつうか、何つうか」 「宝石に“魔法を一つ与える”と考えてもらって結構です」 サクラとノアが言うと、直ぐにメルは首を横に振った。 「いえ!そうじゃないんです。それって高位の魔術師が数十人係りで行う“魔法封印”ですよね?そんなことが出来るんですか?」 それって…二人でできるような魔法なんですか!? メルは、今サクラ達がやろうとしている事は“まじない”という生易しいものではないと、そう考えている。
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