第五章

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「はいっ!じゃあいきますよ~」 おっ?早速か! 常に先を考えるサクラの行動には、誰もついて行けそうにない。 ネックレスを握ったメルの手に、サクラが手を添える。 「終わりました」 えっ? 「あっ!もうですか!?」 手を触れるだけに見えたのだが、サクラは既に“まじない”を掛けたと言う。 当然、魔力が手を通過した実感すら無いメルは、驚きと共に、緊張を解(ホグ)す。 私の手に魔力を通過させるって聞いた時は驚いたんですけど… 「何ともありませんね…」 「それは当たり前ですよ、同じ属性は多くても、それぞれが同じ性質の魔力な訳で… 自分の魔法で怪我をしなくても、相手の魔法なら、例え同じ属性でも魔力の痕跡が残ります。 でも、相手の“魔力の性質”に限りなく近づけると、魔法は殆ど効果がありません」 ん?サクラ何難しいこと言ってんだ? もっと簡単に言えば良いのに。 「つまり、メルの魔力と同調させたから、メル自身は魔力が流れた感覚すら無い。だから“何ともない”のは当たり前だ」 ノアが話をまとめてしまった。
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