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………。
広大な土地に佇むサンシアン魔法学園の中庭を、赤い髪の少年と、青い髪の少年少女が歩く。
「なぁ…サクラ。機嫌直せって、俺が悪かったから」
青い髪の少年、ノアが、赤い髪の少年、サクラに掌を合わせて何度も、繰り返し謝っている。
「別に怒ってませんよ」
またか…
またですか…
そう思うのは、サクラの後ろを追うように歩くノアとメルだ。
学園に行く際に、サクラの説明をノアがまとめた事により、サクラの機嫌が斜めになって今に至るのだが…
これじゃあ見学どころじゃないな…
「なぁ、メルが見学したがってるぞ?」
『ピクリ』
サクラはノアの言葉に、一時停止した。一瞬だったが確かにした!
その反応をノアは見逃さない。
すかさずメルの鼻を摘んで額を『ピシッ』と勢い良き指で弾く。
「あぅ…」
「ほらっサクラ!メルが泣きそうじゃないか!」
それはまさに、迫真の演技のようで、サクラも思わず振り向いた。
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