第五章

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………。 広大な土地に佇むサンシアン魔法学園の中庭を、赤い髪の少年と、青い髪の少年少女が歩く。 「なぁ…サクラ。機嫌直せって、俺が悪かったから」 青い髪の少年、ノアが、赤い髪の少年、サクラに掌を合わせて何度も、繰り返し謝っている。 「別に怒ってませんよ」 またか… またですか… そう思うのは、サクラの後ろを追うように歩くノアとメルだ。 学園に行く際に、サクラの説明をノアがまとめた事により、サクラの機嫌が斜めになって今に至るのだが… これじゃあ見学どころじゃないな… 「なぁ、メルが見学したがってるぞ?」 『ピクリ』 サクラはノアの言葉に、一時停止した。一瞬だったが確かにした! その反応をノアは見逃さない。 すかさずメルの鼻を摘んで額を『ピシッ』と勢い良き指で弾く。 「あぅ…」 「ほらっサクラ!メルが泣きそうじゃないか!」 それはまさに、迫真の演技のようで、サクラも思わず振り向いた。
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