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四時後。
入学式を終えてから、これからの日程を説明され、無事に学園へと入学した三人が、中庭を歩いている。
と、小柄で銀髪の長い髪を揺らす、物静かな印象の少女が一人、軽い足取りで近付いて来た。
先ほど三人を観察していた少女である。
そしてサクラの前に立ち止まり、一言。
「こんにちは…」
「あ、こんにちは」
えっと…誰ですか?
即座にサクラは反応して、挨拶を返してみるが…“誰だろうか?”さっぱりだ。
「ええっと…どちら様ですか?」
サクラのその言葉に、少女は困惑の表情を浮かべて、確認し直す。
「人違い…だった?サーちゃん、違う?」
だが、少女はサクラを知っているようで、親しげな呼び方をしている。
サーちゃん?
「誰だサクラ!この子わっ!?」
……あっ!
「もしかして、月影の都を出てからサンシアンで出来た“かのっ!いって!」
「少しは口を慎みなさい!わかった!?」
サクラが思い出す一歩手前という所で、ノアは邪魔に入った挙げ句、出任せの言動を吐こうとした瞬間に、メルの左ストレートを鳩尾に受けて悶絶した。
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