影の王

始めに

『サンシアン王国』、海岸沿いに築かれたこの王国は、今では建設されてから数世紀の年月が経つ、立派な王国である。

この国の中央には『サンシアン城』と呼ばれる城があり、外側から内側に行くに連れて、少しだけ登り坂である。

高さのある建造物が多く創られた為か、今では街中から城を直視できない。

そして、この国はサンシアン城を中心に町が大きく二つに区切られている。

片方は、東側の山沿いに面しており、『農業』や『工業』などが盛んな町『サンフォール』

もう片方は、西側の海岸沿いに面しており、『漁業』や『交易』などが盛んな町で『シアンフィール』という。

御覧の通り、東側と西側の名前を掛け合わせ『サンシアン王国』となっているが、昔は別々の国で、『敵対』

…とまではならないが、『サンフォール』と『シアンフィール』、どちらの国にもライバル意識があり、両国は技術や企業の面で競り合いました。

…がなかなか終わりが訪れませんでした。

ですが！そんな競り合いから数年後…

「今のままじゃ終わりが見えないから互いの国が持っている良い点を取り混ぜて、新しく一つの国を創るのはどうだろう？」と一人の若者が口を開いたら…

｢俺もそう思ってた！｣｢わしも思っとった！｣など…

今まで口に出すのが不安だった人々が賛成し、同意の意見が多かった。

そして両国にその意見が瞬く間に伝わって、約３年後には今のサンシアン王国が建国されたのだと言われている。