第二章

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サクラ「(確か一番上の通路の奥にある部屋だったよね?)」 ノア「(そのはずだ)」 気配を消した二人は、次に声を出さずに会話を始める。これは前回やったアイコンタクトなどではなく。 『念話』と呼ばれる方法だ。この方法は『魔力を利用し、会話したい相手を思い浮かべ…魔力を飛ばす様に、相手に言葉を伝える』感じの魔法である。 説明している間にもサクラ達は階段を上り、廊下の一番奥にある扉の前に到着する。だが扉の前に立っているだけで、二人は一向に中へ入る気配が無い。 サクラ「(何か話してますね)」 ノア「(だな。ってか…いつからそんな盗み聞きの趣味が?)」 サクラ「(…)」 ノア「(…)」 二人の間に気まずい沈黙が流れる。 ノア「(申し訳ございません)」 沈黙に負けてノアが謝るが、サクラはノアの方を向きもせずに、 サクラ「(うるさいな、聴こえないから静かにしてなよ!)」 と一喝する。 どうやら本当に盗み聞きしていたらしく、盗み聞きを邪魔されたサクラは独り煩いノアを黙らせる。 その扉からは「あのボロボロ少年?」などと気になる事を喋っていたので、なおさらノアがしつこく感じたのだろう。
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