第一章

2/5
前へ
/174ページ
次へ
この日の空には雲一つ無く、上を見上げると眩しい日差しが目を焼いていく。 そんな中、国の西側にある町の大通り『太陽の沈む道』と言われている場所で、「はぁっはぁっ」と息を切らせながら顔は見えないが十代前半と思われる身長の少年が人混みを掻き分けて物凄い速度で走っていた… 後ろからはその少年を追っているのか、背中に大きな銃を背負った人が一人、腰のベルトに拳銃を納めている人が二人… そして右手の鞘に入れている刀を持った人が一人の、四人ほどが人混みを掻き分けながら走り、追って来る。 それを見ていた人々はこの様な光景に慣れているのか、あまり気にしていない。 嫌…、気にしているが関わらない様にしているのだ。 町中を走っていた少年は突然方向を変えて薄暗い路地裏に駆け込み、数分走った所で足を止め、 少年は「ふぅ…」と大きな溜め息をつき走って来た道を振り返り呟く… 少年「クソっ…しつこいな、ここまで来るなんて」 何処までも追ってくるんだ?面倒臭いな… 少年と思うのだが、顔が殆ど隠れるフードの付いた服を着ていて、完全に見れない。 隙間から見える手足は痩せて細くなり、どうしてあんなに早く走れたのか疑問に思う程である。
/174ページ

最初のコメントを投稿しよう!

762人が本棚に入れています
本棚に追加