序章 物語は始まる

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 夕日は完全に沈み、辺りは夜を迎える。 「よっと!」  アルスは砂浜に寝そべりふと夜空を見上げると、そこには、 小さいながらも光り輝く星が、沢山集まっていた。 「今日は星がよく見えて綺麗だなぁ…」  アルスは星を眺めている内に、いつの間にか夢の中にいた。  すると、どこからともなくある声が聞こえてきた。 (お前が…アルス・ロンドか!?)  男の声だろうか?その声は低く太かった。 「え!……誰?」 (いずれわかる…)  この言葉を最後に、その声が聞こえなくなると、 突然アルスが目を覚ました。 「はっ!!あれ?夢か…あの声の人は誰だったんだ?」  アルスは不思議に思っていると、何故か右手に持っていた携帯電話の液晶画面が目に入る。 「え!?もう1時じゃん!!早く家に帰らないと」  アルスは慌てて自転車に乗り、人は疎か車一台いない道を、立ち漕きで走って行く。  しばらくして、林の近くの道を走っていると、 林の奥で光り輝いているのが見えた。 「あれ?なんか光ってるなぁ…」  アルスはその近くに自転車を止めて、光に誘われるように林の奥へと、歩いて行った。 「………」  アルスは言葉を失った。 何故ならそこには、 なんとも珍しい光り輝く馬のような生き物がいたのだ。 「はっ!!」  アルスはその生き物と目が合った瞬間、咄嗟に木の陰に隠れ、しばらく息を潜める。
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