Index.1 不幸少女に、光と宇宙人

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   ある日のこと──なんてありがちな台詞で始めるのは芸がないので、こう言おう。  ある日──すなわち、2008年12月9日の午後6時43分のことだった。    クレナイ アイコ  私、 紅 愛子のその日は、朝からすでに散々だった。  安眠を妨げる耳障りな目覚まし時計を、うっかりウルトラチョップで破壊してしまい、起きたら始業時間の20分前。私の家から学校まで、ゆうに25分の距離はある。  奇声を発しながら階下に降りると、頼みの綱の母はすでに仕事で出勤していた。というか、行く前に起こせ。  仕方なく、半べそ気味に自転車を引っ張りだすと、今月2度目のパンクをしていた。  本格的に泣きたくなった私であったが、もうそれなら「いっそYOU遅刻しちゃいなよ」って話でね。  妙にふっきれてしまい、自分を探す旅人のようなのんきさで、悠々自適なウォーキング登校を決め込んだのだった。  しかし世の中は世知辛いもので、遅刻した私には当然のように説教と雑務という罰が与えられた。   おまけに、「今月で遅刻何回目だ!?」と訊かれたので、自信をもって「3回目です!」と答えたら、拳骨という名の暴力までいただいた。  私は、教師の職権乱用を、いつか告訴したいと思います。  
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