地獄の朝礼

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俺は小走りでフロントに向かった。 高トレと万里さんはフロントのカウンター内でバインダーに挟んである書類を見て何やら準備している。 そして、カウンターの外側に初対面のキリっとした目元が印象的な 細身だが引き締まった体つきの女性が立っていた。 「あっ、初めまして広と申します。」 突然の初対面で少しラフな挨拶。 「あ~初めましてぇ。柴と申します。 宜しくねぇ。」 柴さん(22) 通称ー【スーパー派遣の柴】 サロン唯一の派遣社員。定時に来て定時に帰るので他のスタッフより勤務時間が短い。施術はボディのみ担当だがお客様のファンは多い。技術の上手さも去ることながら柴さんが入る新規のお客様の入会率が良いのは 明るくて気さくな人柄が理由。 得意技ー【ジゴロ落とし】 俺が柴さんと一通りコミュニケーションをはかると 高トレ 「それでは朝礼を始めます。 おはようございます。」 『おはようございます。』 朝礼。俺は他のスタッフ同様に笑顔で挨拶をする。 だが、 この毎日避けては通れない朝礼が、やがて地獄となるのである。
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