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「楽しそう」
そう言えば、
「楽しいんじゃない。嬉しいんだ。お前の全てが俺のものになったからな」
なんて、恥ずかし気もなく言葉を滑らせて
顔を赤くした私をみて、愛しそうに頭をユックリと撫でてくれた。
「照れんなよ。」
「うっさい…もう。ニヤニヤしないでよ」
ムードも雰囲気も壊すのが好きなあなた。
でも、一番安らげる空気と場所をくれるから、憎たらしいけど我慢してあげる。
「この顔を見たくなきゃ、俺の腕に抱かれればいいんじゃないか?」
そんな台詞がくすぐったくて笑えた。
「いーや!お風呂入る!」
腕をすり抜ければ軽い笑い声が聞こえて、なによ。って聞いたら
「電話するから携帯は持ってけよ?」
なんて言ったから
「一緒に入りながら言えば?電話代の無駄よ」
と。背中越しに言ってみた。
来ないことはわかってんだけどね。
それに、私達、無料通話だし…
「駄目だ。電話じゃなきゃ言えないんだ」
「わかった。待ってるね?」
そう言って、携帯片手にまだ気だるい体を風呂場へと連れていく。
(乙女みたいな考えかもしれないけど…)
(ガキみたいな考えかもしれないが…)
(この広い世界で唯一人)
(この人生の中で唯一人)
(あなたに…)
(お前に…)
……出会えて良かった……
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