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スーツ姿の中神さんの綺麗な色の胸元へ、わたしは見事にコーヒー色の大きな染みを作ってしまった。
わたしは何度も頭を下げて中神さんに謝り、できればその背広をクリーニングへ出すのでしばらく預からせて欲しいと頼んだ。
けれど中神さんは笑ってわたしの申し出を断った。
わたしはそれでは気が治まらないからと言い、せめてもの気持ちで中神さんへショートケーキとアメリカンコーヒーをご馳走させてもらった。
そんなものでは何の代わりにもならないと思ったが、中神さんは返って申し訳ないと言って、少しはにかんだ笑顔を見せてくれた。
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