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「だからこそ、俺達天界人は、地上を一からやり直させるためにやって来たんだ。世界を、救うために…」
あまりにも真直ぐなその瞳に、希は視線を逸らしたくても、できないでいた。
「じゃあ、私になんで話したんですか??」
震える声で、希はなんとかそう言った。
紅蓮は、今度は優しい笑みを浮かべていた。
「君に新しい地上を創って欲しいんだ。ーーー使徒の一人として」
「新しい、……地上??」
「そう。しょせん、俺達は天界人。世界を壊せても、新しい世界を創ることはできない」
「そのためには、やはり地上で現在トップの人間の存在が必要になってくる。ーー力を貸してくれるな?」
希に一歩近付く紅蓮。
思わず希は、後ろに下がった。
「ちょ、ちょっと待って下さい!!新しい世界とか…大体``しと``って何なんですか??」
希の頭はパニック寸前だった。
次から次へと訳の分からない話を聞かされ、発狂してしまいそうだった。
「あー、その説明も必要か。でも、その前に…」
紅蓮は希の頬を両手で包んだ。
優しく、愛おしむように。
「クールダウン。落ち着いた??」
二カッと笑う青年。
それは、とても無邪気なものだった。
「あ…はい。どうも」
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