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「何……これ」
紅蓮に促されるまま、帰宅してすぐお風呂に入った。
そこで彼女は、自分の腕に見慣れないあざがあることに気付いた。
バタン
「あ、あの紅蓮さん!!」
急いで部屋に戻り話せば、紅蓮は少し思案した後説明をしだした。
「安心しろ。それは聖痕……デミスである証だ」
「せい…こん??」
聞き慣れない単語に、首をかしげる希。
「ああ。デミスになると、その証として体の一部にあざが出現することになってる。どれ、見してみろ」
希は袖をめくると、それを見せた。
「右の二の腕か…。にしても細ぇな。ちゃんと食ってんのか??」
ぷに
その細く長い指であざをなぞっていたかと思うと、いきなり腕を摘んだ紅蓮。
「な、何するんですか!!」
急いで腕を引っ張れば、紅蓮は何かを考えこむそぶりを見せた。
その表情に一抹の不安を感じた希は、
「あの…デミスって具体的に何すれば良いんですか??」
現れた聖痕を撫で付けながら、希は尋ねた。
「~ん。それなんだけどなぁ。説明すると長くなっちまうから、明日にしてくんねぇ??」
不安げな面持ちで尋ねたというのに、先ほどの雰囲気とは打って変わって、件の天界人は面倒くさそうに答えるのだった。
「な!!」
あまりの適当さ、面倒くさがりに面食らう希。
自分はとんでもないことをしてしまったのではないか、そんな気になった。
しかし、やはりその思いも感じ取っているのだろう。
紅蓮は優しく語りかけた。
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