4人が本棚に入れています
本棚に追加
「なんか酷いこと考えてそうだから言うけど、俺はお前を心配してんの。いきなり世の理の話されたりして、いろいろ混乱してんじゃねぇかって。自覚ねぇだろうけど、体だってデミス用に微妙に変わりつつあるんだぜ。だから、とりあえず今日は体を休めって言ってんの」
ベッドから降りると、希の前に来た紅蓮。
ジロジロと体を見ながら、
「見たところ異常はねぇな。急な体の変化についていけなくなる場合があるって聞いてたけど、その心配もなさそうだ。なんだ。意外と体力あんじゃん」
一人納得するのだった。
そして、希の髪を摘むと、未だ心配そうな彼女に向かって一言
「心配すんな。新しいことに戸惑いは付き物だ。時期に慣れるし、俺が全力でサポートする」
優しく、囁いた。
「じゃあ、約束…して下さい」
震える声で、紅蓮の眼をしっかりと見据えながら言った。
「約束??デミスと天界人との契約とは別にか??」
希の眼を見つめ返しながら、紅蓮は尋ねる。
「はい。私と貴方の…絶対に守ってくれますか?」
「…内容によるって言いたいが。お前は俺の願いー契約ーを聞いてくれたしな。いいぜ。守るし、叶えてやる」
そう呟けば、目の前の少女は笑った。
綺麗で、可憐な笑みを。
「じゃあ…約束して!!私を、幸せにするって!!」
その願いに男の口許は綻び、少女に負けない笑みを浮かべた。
「聞き届けよう、その願いーーー」
最初のコメントを投稿しよう!