明かされた悲しき過去…そして雨中の決着…

8/49
前へ
/573ページ
次へ
礼儀正しい母親を見ていると雲雀は怒る気も失せてしまう。 雲雀「いえ…大した事はしていませんから…気になさらずに横になっていて下さい!」 雲雀が言うと、母親は渋々体を横にした。 女の子「ちょっと待ってて!今、お茶煎れてくるから!」 女の子は台所のような場所で何かをせっせせとやり始めた。 母親「…ゴホッ!…ゴホッ!…ゆっくりしていってくださいね…」 母親は苦しそうであったが、笑顔で言ってきた。 雲雀「…病気と聞きましたが…」 雲雀は心配そうに言うと… 母親「フフッ…心配しないで下さい!快方に向かっていますから…」 雲雀「そうですよね!すみません!急に変な事を聞いて…」 雲雀(借金までつくってるんだ…それに…あれだけ笑顔をつくれるんだ…元気じゃない筈がない!) 雲雀は苦笑しながら言う。 女の子「あっ!…茶葉がなくなっちゃった…」 女の子は呆然と立ち尽くしている。 母親「…すぐに買ってきなさい…葵『アオイ』…ゴホッ!…ゴホッ!」 母親が言うと、葵は小屋を飛び出して行った。
/573ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1499人が本棚に入れています
本棚に追加