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母「…雲雀さんお願いです!葵を…葵をよろしくお願いします!」
母親は頭を深々と下げていた。
雲雀「金貸し位は俺がどうにかします!ですから…」
母「無駄です…」
母親は深刻そうで、笑顔に陰りが見えた。
雲雀「どういう事ですか?」
母「…名門の八雲家が金貸しの後ろ楯になっているんです…そう…雲雀さんの家なんです…」
その時、色が全て失われたのを感じた。
雲雀(…お…俺が…この幸せな家族を…壊した…のか?…俺…が…)
母「しかし、恨んではいません!葵があんなにも幸せそうでしたから…ありがとうございます!」
母親は曇りのない笑顔で言うと、雲雀はそれを眺めていた。
雲雀(…そうか…アイツの幸せそうな笑顔は母親譲りのものだったのか…そして…また…救われたのか…)
雲雀は葵に会ったあの日から、笑顔に包まれた生活を直に味わった。
訓練ばかりの色のない世界に色がつけられた。
…その生活が雲雀を自然と救っていた。
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