明かされた悲しき過去…そして雨中の決着…

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雲雀は正直に目を閉じて、視界を断つ。 少し経つと、首に冷たい感覚が急に襲った。 雲雀は一瞬だけビクッとしたが、約束通り目は閉じたままでいる。 母「…これは私の夫が唯一残した物…大切な思い出が…固い絆が…沢山詰まっている宝物…本当は葵にあげようと思っていたんですけど…雲雀さんに差し上げます!…いずれ届く葵の為にも…」 しかし、母親の言っている事が雲雀には全く理解できない。 それを見た母親は、優しく笑っているようであった。 母「…葵をよろしくお願いします!」 母親は雲雀の腰辺りをガッチリと掴んで、直ぐ様近くの窓に投げつけた。 雲雀は完全に無防備であり、まさか病弱な母親がこんな力を発揮するとは思わず、簡単に投げ飛ばされてしまった。 ガシャン… 窓のガラスは雲雀の体がぶつかり簡単に破壊されてしまった。 すぐに、雲雀は状況を把握する為にも目を開けると… …そこには満面の笑みの母親がニッコリと雲雀に笑いかけていた… その笑みは女神のように優しく、大きな思いや覚悟がぎっしりと詰まっているものであった。
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