正義

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正義

ある殺人事件の裁判。それはきわめつきの難しいものだった。依頼主側にはなにひとつ有利な点がなかったのだ。 それでも弁護士は秘術のかぎりをつくして闘った。その結果、陪審員は何時間も議論を重ね、とうとう、無罪、つまり弁護士側の勝訴を宣告したのだった。 弁護士はさっそく彼の依頼主に電報を打った。 「セイギ ハ カッタ」 すぐに返電が届いた。 「タダ チニ コウソ セヨ」
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