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『…ぎ、凪、どうかしましたか?』 我に返った凪は、自身を呼ぶ声にはっと顔をあげる。 『…なんでもありません、骸様』 『そうですか?ならいいのですが、緊張しているのかと思いましたよ』 凪は今、ある場所に向かって歩いている。思想の中で会話、早くいえばテレパシーのようなものだ。を、骸から受けながら凪は歩みを進めた。 鞄に入っている骸の三叉槍を大事そうに抱き抱えながら。 『いいえ、少し別のことに集中していただけです』 気にしないで下さいと、申し訳なさそうに謝り角を曲がる。 『きちんと言われたとおりにしてみせます』 前を見据えれば目的の場所。 今回仰せつかった命を遂行する、その為に。 今、ここにいる。 ―――並盛中学校。 『その意志は結構ですが、くれぐれも無理はしないように』 「はい、骸様」 声に小さく出して返事を返した凪は、ゆっくりその門をくぐった。
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