ゆめうつつ

凪

ブツリと、途切れる。

骸から見えるようにしていた、今の状況を映していた髑髏の思考を、繋いでいた思考を、
髑髏から、切った。

それは、初めてだった。

「違う。骸様は、私にとって恩人。好きや嫌いは、ない。」

一瞬の間が空いたが、何一つ変わりのない調子で髑髏は淡々と言う。

「そっか、いつもクローム骸の為ってなると一生懸命すぎるから、てっきりそうなんだ、と、ばっ、かり…」

最後がうまく言いきれなかった。
先程たったすぐ前まで平静を保っていた髑髏が明らかに動揺したからだ。
頬が僅かに紅潮し、眼が泳いでいる。
見たこともない髑髏の反応に、ツナまで動揺してしまう。

「…えっ、と…ごめん。俺変なこと、言った？」

気まずい、わけではないが重い沈黙に耐え切れずツナは謝った。

「…私、」

震える、か細い声をやっと髑髏があげて、ツナはごくりと唾を飲み込んだ。

「私、骸様にも分かる態度、だった？」

「へ？」

「恩人で、骸様に仕える為だけに動かなきゃいけないのに、それ以外が態度に出てた？」

「ちょ、クローム！？」

急に関を切ったように髑髏は話し出した。