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「私のこの感情、骸様に気づかれそう?」 まさかと思ったが、 動揺し続ける髑髏の反応と言葉にツナは、落ち着かせるように頭を撫でた。 「クロームは、骸が好きなんだね」 やっと普段のクロームに戻ったようだった。 どう答えようか迷っているそぶりのあと、小さく顎を引いた。 ツナはようやく先程までの態度に確信を得て、大丈夫だと笑ってみせた。 「骸は気付いてない、とは思うけど…実際俺には分かんないけどさ。でも、気付いてても気付いてなくても、骸はクロームのこと大事に思ってるよ」 「…本当?」 「うん、もちろん」 くしゃくしゃと、普段では考えられないが、されるがまま頭を撫でられる髑髏が安堵するのが、ツナに伝わる。 考えてもみなかった。 あのいつも感情の読めないような髑髏がこれほどまで感情をあらわにすることなど。 骸の気持ちは分からないが、ここまで必死に、その恋心を隠そうとする髑髏に切なさを抱く。 主従のような関係でなく、もっと普通の少女のように恋愛に心動かす事をさせてあげられればいいのに。 はがゆさを感じながら、手を離し、タオルを頭にかけ直す。 「まだ髪濡れてるから乾かしといでよ。風邪ひくよ」 毛先にゆっくりたまる水滴に目をやると、髑髏もそれを確認し、頷いた。 「…知られたのは良くない事だけど、楽になった気がする。ありがとう、ボス」 部屋を出る前の彼女の言葉が、ツナに残った焦燥感を少し軽くしてくれた。
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