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音和が立ち去った店内はまだ余韻を残し、静まり返っていた・・・。
「おい・・・」
「あぁ・・・」
蓮と椿にこの上ない不安が込み上げてきた。
「マジ、やばいって・・・」
「咲羅の存在がバレたら・・・神だけじゃない。咲羅が危ない・・・」
「あいつ、何やってんだよ・・・!」
その頃。
智瀬は咲羅のマンションを出る所だった。
靴を履く智瀬を咲羅は不安な様子で見つめた。
「ねぇ・・・本当に辞めるって言いにいくの?」
「行くよ。」
「・・・大丈夫?」
「何で。」
「だって、No.1ホストってそんな簡単にやめれるもんじゃないんでしょ?」
「まぁ・・・そうかもなぁ。」
「あたしは・・・大丈夫だから。そんな、辞めなくていいよ・・・」
「バーカ」
智瀬は咲羅を抱きしめた。
「智瀬く・・・」
「言ったろ?もう咲羅に辛い思いはさせたくねぇって。」
「・・・」
「あんな泣き顔、もう見たくねぇ。」
「・・・智瀬くん」
「可愛かったけどなっ。」
「もぅ!!」
赤らむ咲羅の頭を優しく撫でると智瀬はマンションを出て、『ROMIO』へと向かった。
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