裁き

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音和が睨む中、神は部屋を出た。 店内には開店せずに神の帰りを待つ仲間たちがいた。 「あれ、客は?」 「バカ。開店できる訳ないだろ。こんな状況で。」 「悪い。」 「音和さん、何て?」 不安そうに蓮が聞く。 「俺、『ROMIO』を辞める。」 神の言葉に皆が絶句した。 「そんな、欠勤したからって・・・何もそこまで・・・」 「違う。俺が辞めるって言ったんだ。」 「なっ・・・?」 「音和さんは駄目だって言ったけど、俺はもうホストはやらねぇ。」 「・・・咲羅のため・・・か?」 「あぁ。付き合っても辞めねぇって椿に言ってたはずなのにな。悪い。」 「そんなこと・・・」 「でも、音和さんは辞めさせてくれねぇんだろ?どーすんの?」 「強行突破しかねぇなぁ」 神は笑った。 蓮と椿は気が気じゃなかった・・・。そんな簡単に決着が着くとは思えなかった。音和が神のホストとしての才能に惚れ込んでいることは知っていた。 その音和が、簡単に神を手放すはずがない・・・。どんな手段を使っても・・・神を離さないだろう・・・。 蓮と椿は、無邪気に笑う神とはうらはらに音和の恐怖に怯えていた。
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